フィニアンサイクル
フェニアンサイクルは、人間と神々(妖精)の世界が別離しながらも、時折2つの種族が交わっている頃の物語で、時系列はアルスターサイクルの後となります。このサイクルの主役はフィン・マックールという名の騎士団長で、彼の率いるフィアナ騎士団の活躍が物語の中心となります。
フィニアンサイクルになると、万能であった神々の存在は薄れ、人間は神秘の名残と関わることになります。特に妖精との関わりは、このサイクルの主題とも言え、ケルト神話独特の甘美さを醸し出しています。
また、このサイクルのもう一つの特徴として、登場人物が人間らしさが挙げられます。主人公フィンには、知恵の鮭(フィンタン)を食べた時に身についた特殊能力がありますが、人間の域を超えるものではありませんでした。さらに、フィンは妖精サーバとの悲恋やディルムッド・オディナの死を経験し、苦悩しながらも、戦いの中でその最後を迎えます。
フェニアンサイクルの物語は、人間世界へと続く神話物語として、現代にも大きな影響を与えています。